高齢化で草刈りが続けられない地域へ|熱中症リスクと土地管理の外注・機械化

高齢化が進む地域では、草刈りを「自分で続けること」だけを前提にした土地管理が難しくなっています。

水分補給や休憩などの熱中症対策はもちろん重要ですが、それだけでは十分とはいえません。

大型草刈機による機械化や外注、定期管理などを組み合わせ、「暑さに耐える」のではなく、炎天下で人が作業する時間そのものを減らすことが、これからの農作業では重要です。

この記事の要点

  • 基幹的農業従事者の平均年齢は67.7歳
  • 農作業死亡事故の86.4%が65歳以上
  • 草刈りは高温+身体作業+一人作業が重なりやすい
  • 機械化・外注・定期管理による「作業時間削減」が重要
目次

農業を支える人の平均年齢は67.7歳

出典:農林水産省「農業労働力に関する統計」

基幹的農業従事者の約7割が65歳以上

農林水産省の「農業労働力に関する統計」によると、2026年の基幹的農業従事者は推計98.7万人で、そのうち65歳以上は69.3万人、平均年齢は67.7歳です。つまり、日本の農業を中心となって支えている人のおよそ7割が65歳以上ということになります。

これは単に「農家に高齢者が多い」という話ではありません。田畑で作物を育てるだけでなく、畦畔や農道、水路、法面など、農村環境を維持するための作業も同じ世代が担っています。

そして草刈りが必要になるのは、草が勢いよく生長する暑い季節です。身体への負担をより慎重に考える必要がある年代と、炎天下で土地管理を担う年代が重なっていること自体が、現在の地方が抱える大きな課題です。

農作業死亡事故の86.4%が65歳以上

高齢化が農作業の安全にも大きく関係していることは、死亡事故の統計からも見えてきます。

農林水産省が2026年2月に公表した「令和6年に発生した農作業死亡事故の概要」によると、2024年の農作業死亡者数は287人でした。そのうち65歳以上は248人で、死亡事故全体の86.4%を占めています。

もちろん、”この287人すべてが草刈りや熱中症による死亡事故ではありません。”しかし、農作業中の死亡事故の大部分を高齢者が占めているという事実は、「高齢になってもこれまでと同じ方法で作業を続ける」という土地管理のあり方を考え直す必要性を示しています。

なぜ「危険だと分かっていても」草刈りをやめられないのか

※1 2025年12月〜2026年7月アンケート結果

「自分がやらなければ」という土地管理の責任

長年土地を管理してきた人ほど、「自分がやらなければ、この土地を管理する人はいない」「もう体力的にはきついけれど、誰にも頼めない」と感じています。

草を放置すれば、隣の家や道路にまで伸びてしまう。農地を荒らせば、近隣の農地や地域にも影響が出る。自分が管理できなくなれば、遠方に住む家族や親族に負担をかけることにもなります。

「もうやめたい。でも、放置したら近所に迷惑をかける。自分がやめれば、家族や親族にも迷惑をかける。だから、やるしかない。」そんな思いで、体力的に厳しくなっても草刈りを続けている人がいます。

カリマスが2025年12月から2026年7月に、カリマス利用者83名を対象として実施した独自アンケートでは、69人(83.1%)が「普段の農作業を1人で行っている」と回答しました。なお、本調査はカリマス利用者を対象としたものであり、全国の農業者・土地所有者を代表するものではありません。

危険性を知らないから作業を続けているのではありません。やめたいと思っても、やめた後のことを考えるとやめられない。そこに、土地を管理する人が減っている地域で起きている、もう一つの問題があります。

地域で担ってきた仕事が、少数の個人に集中している

農林水産省の「多面的機能支払交付金」では、農地法面の草刈り、水路の泥上げ、農道の維持などを地域の共同活動として支援しています。こうした作業は、もともと土地所有者一人だけの問題ではなく、農村環境全体を維持するための活動でもあります。

ところが人口減少と高齢化が進めば、共同作業に参加できる人そのものが減ります。以前なら大勢で行っていた草刈りを少人数で行い、さらに人が減れば、それぞれの土地所有者が自分で管理するしかなくなる地域も出てきます。

カリマスのアンケートでも、近隣に土地管理や農作業を頼める後継者が「いない」と答えた人は60人(72.3%)でした。

人は減っているのに、管理しなければならない土地や法面、水路は残り続ける。これが、地方の草刈り問題を難しくしている大きな理由です。

実際の現場で感じる「自分で管理する限界」

カリマスへ草刈りをご依頼いただく方の約半数は80歳以上です。現場では以下のような切実な声を耳にします。

  • 「昨年までは自分で刈っていたが、今年はもう難しい」
  • 「シルバー人材センターへ依頼したが、予約がいっぱいで対応してもらえなかった」

また、自身で稲作をしていない場合でも、害虫対策の農薬散布など、地域の農作業スケジュールに合わせて草を刈る必要が生じるケースもあります。「農業をやめれば草刈りもしようがなくていい」と割り切れないのが、地方の土地管理の難しさです。

草刈りの負担は、単に「面積」だけで測ることはできません。同じ100㎡でも、草丈50cm程度と1m超の状態では、刈る作業だけでなく足元の安全確認や刈草を集める労力が全く異なります。

カリマスが実施した利用者アンケート(※1 2025年12月〜2026年7月実施 / 83名対象)でも、その負担の大きさが浮き彫りになっています。

  • 普段の作業人数
    1人で作業している人が全体の 83.1%
  • 1回の作業時間(草刈り+刈草)
    1時間未満 8.4%
    1~2時間 21.7%
    2〜3時間 27.7%
    3〜4時間 27.7%
    4時間以上 10.8%

カリマス利用者へのアンケート調査2025年12月~2026年7月

さらに休耕田や広い空き地では、周囲に日陰が一切なく、「疲れたら休めばいい」と思っても十分に身体を冷やす場所すらない現場も珍しくありません。

「昨年までできたから、今年もできるとは限らない」

これは、実際に多くの草刈り現場に向き合う私たちが、痛感している偽らざる現実です。

なぜ草刈り中の熱中症は重篤化しやすいのか

高温・直射日光・身体作業が重なる

草刈りは、炎天下で行われることの多い身体作業です。刈払機を保持しながら左右へ振り続け、斜面では足元を確保しながら作業しなければなりません。草丈が高かったり、蔓が絡んでいたりすれば作業速度も落ち、その分だけ屋外にいる時間が長くなります。

特に広い休耕田や法面では、作業が長時間に及ぶことがあります。高温、直射日光、身体的負荷、長時間作業が重なることで、身体への負担はさらに大きくなります。

環境省の「熱中症予防情報サイト」でも、高齢者は熱中症になりやすい層として注意を呼びかけています。暑さ指数(WBGT)の確認や水分・塩分補給、こまめな休憩、暑い時間帯を避けるといった基本的な対策が重要です。

「1人作業」が異変への気づきを遅らせる

農作業特有の問題として見逃せないのが、一人で作業するケースが多いことです。政府広報でも、農作業は1人で行うことが多いため、熱中症の症状に気づきにくく、重篤化しやすいと注意喚起しています。

草刈りでは「あと少しだけ」「この区画まで終わらせよう」と作業を続けてしまうことがあります。その間にめまいや倦怠感、頭痛、判断力の低下などが進めば、自分で作業を中断する判断そのものが遅れる可能性があります。

さらに一人で作業していれば、倒れても周囲に気づいてもらえない場合があります。そのため農林水産省も、農作業中の熱中症対策として単独作業を避けることなどを呼びかけています。

気候が変われば、草の管理方法も変える必要がある

出典:国立環境研究所気候変動適応情報プラットフォーム

気候変動は雑草の生育環境にも影響する

「昔からこの方法で草を刈ってきた」という経験は大切ですが、気候そのものが変化している以上、これまでとまったく同じ管理方法が将来も最適とは限りません。

国立環境研究所の気候変動適応情報プラットフォームでは、気温上昇によって雑草の越冬や分布域、外来雑草の侵入・定着などへ影響が生じる可能性が整理されています。

ただし、「温暖化によってすべての雑草が以前より何倍も速く伸びている」と単純化することはできません。雑草の生育は種類、気温、降水量、土地条件などによって異なります。

重要なのは、気候が変化している以上、土地管理の方法も固定したままにしないことです。

「暑さに耐える」から「作業時間を減らす」へ

出典:農林水産省九州農政局「スマート農業導入モデル」

広い土地を刈払機だけで管理する限界

刈払機は住宅の庭や狭い場所、機械が入れない場所では欠かせない道具です。一方で、数百㎡、数千㎡という広い土地をすべて刈払機だけで管理するとなれば、どうしても作業時間が長くなります。

面積が広ければ炎天下にいる時間も長くなり、身体的な疲労も蓄積します。水分補給や休憩、暑い時間帯を避けることはもちろん重要ですが、それと同時に考えたいのが、「暑さに耐える方法」ではなく「暑い場所で作業する時間そのものを減らす方法」です。

機械化によって猛暑期の作業時間を削減した事例もある

農林水産省九州農政局が公表している中山間地域のスマート農業導入モデルでは、防除用ドローンとラジコン草刈機を導入することで、7~9月の畦畔除草・防除作業を59時間、14%削減し、熱中症などのリスクを減らせるとの試算が示されています。

さらに農林水産省は、農作業死亡事故への対策として、農作業の「省力化・軽労化」を通じて熱中症などのリスクを低減していくことの重要性を示しています。

つまり、水分補給、休憩、暑い時間帯を避けるといった基本的な熱中症対策に加えて、そもそも人が行う作業量や作業時間を減らすという考え方も、これからの土地管理では重要になります。

草刈りの「やり方」を変える|人力と大型機械の適材適所

機械の導入がもたらす「炎天下の労働時間」の削減

ハンマーナイフモアなどを活用できる場合があります。
こうした機械の利点は、単に「楽に草を刈れる」ということだけではありません。最大のメリットは、人が刈払機を持って炎天下を歩き続ける時間そのものを大幅に減らせる点にあります。
作業時間が短縮されれば、それだけ熱中症リスクにさらされる時間も減り、身体への負担を最小限に抑えることができます。

土地の条件に合わせた作業の使い分け

ただし、どの土地でも大型機械がそのまま使えるわけではありません。傾斜の有無、地面の状態、石や切り株などの障害物、進入路の広さ、そして草丈などによって、使用できる機械や最適な作業方法は異なります。 そのため重要なのは、「人力か機械か」という極端な二択ではありません。

  • 住宅周辺や狭い場所: 刈払機で小回りを利かせて刈る
  • 広い空き地や平地: 自走式大型機械で効率よく粉砕する
  • 機械が入れない斜面や狭所: 無理をせず人力で確実に行う

このように、土地の条件に合わせて作業方法を賢く組み合わせることで、刈払機を持って作業する時間を減らし、身体的な負担を抑えながら効率よく管理できます。

まとめ|安全に土地を守るための新しい選択肢

「自分でできるか」から「安全に続けられるか」への転換

高齢化が進み、猛暑が年々厳しくなるなかで、「去年も自分でやったから」「まだ動けるから」という理由だけで、これまでと同じやり方で草刈りを続けることには少しずつ無理が生じます。

これから重要になるのは、「まだ自分の手でできるか」ではなく「この方法を安全に続けられるか」という視点です。 自分でできる範囲は自分で行い、広い場所だけ機械を使い、身体への負担が大きくなれば外部へ任せる。土地の状態や年齢に合わせて管理方法を変えることは、決して土地の管理を諦めることではありません。むしろ、無理をせず長く土地を守り続けるための賢明な選択です。

草刈りを外部へ任せることも選択肢のひとつ

高齢者にいつまで危険な負担を背負わせ続けるのか――。農業の高齢化がもたらす過酷な現実から目を背けず、これからの地域と土地の守り方を真剣に見つめ直す一助となれば幸いです。

年齢や体力の変化、夏の猛暑の中で、これまで通りの方法を続けることが難しくなるのは自然なことです。すべてを自分で行うことにこだわらず、負担の大きな場所だけ外部へ任せることも大切な選択肢です。

カリマスでは、福知山市を中心とした北近畿エリアで、空き地や休耕田、広い敷地の草刈りに対応しています。その土地の状況に合わせた方法で、安全な土地管理をサポートいたします。

参考資料

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この記事を書いた人

草刈り伐採便利屋カリマスの代表です。

地域密着で、お庭の草刈りから高木の伐採、不用品回収まで幅広く対応しております。「自分では手に負えなくなった庭をなんとかしたい」「空き家の管理を任せたい」といったお悩みをお持ちの方、ぜひお任せください。

丁寧な作業はもちろん、近隣の方々への配慮も欠かしません。お見積もりは無料ですので、まずは一度お気軽にお問い合わせください!

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